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ティアラ(御宝冠)


■皇后陛下(皇太子妃美智子殿下)のティアラ製作にかかわった人の話
師事した渡辺弘氏は一般に知られていない町の名工である。氏の師匠は明治時代にフランスに留学して洋式の彫金技法を身につけた江戸金型師である。その人の一番弟子が氏で 、代表的な仕事は、1961年の美智子妃婚礼時のティアラである。 その時、氏は最重要工程を担当した。 工程を説明すると、プラチナ合金に穴を開け、ダイヤを入れて地金をタガネで起こしながら ダイヤに被せて固定する。被せた地金は玉に丸める。その後、縁とダイヤの間を片切りタガネで 帯状に削る仕上げの難作業がある。 もし、タガネ先がダイヤに僅かでも当たると、瞬時に欠けてしまう。しかし、ダイヤからタガネが 逃げ過ぎると削り残しが出て、汚く仕上がる。だから、ギリギリの境を美しい鏡面に一気 に削り上げなければならない。 使われた大量のダイヤは明治天皇の皇后、昭憲皇太后が使われていた宝物からの転用の旧カットだった。旧カットのダイヤは原石に近い形状で真円ではない 。それゆえ、ダイヤの際を直線に揃えるのは難しい。 その複雑に蛇行する曲線を狂いなく鏡面に削るのは超人的技である。 しかも地金は、ティアラ軽量化のために、プラチナ・イリジウム合金が使われていた。 この合金は大変に硬く削りにくい。 しかし、40代で脂が乗り切っていた渡辺氏は、一気に寸分の狂いもなく鏡面に削り終えた。おそらく、これ以上のティアラは、今後、我が国だけでなく、世界中のどの国でも絶対に作ることができない。 それ程に美智子妃のティアラは、宝飾品史上世界最高の日本人職人たちの技術が集約されている。 このティアラの仕上がりと比べると、セレブたちにもてはやされている欧米有名宝飾メーカーの品は極めてお粗末に見える。このティアラには後日談があった。 警察官に24時間厳重警備されたミキモトの工房で、極秘に作られていたはずのティアラが 、毎日グラフにスクープされ紙面を大きく飾った。 スクープしたのは氏の師匠の息子のカメラマンである。 公開前に撮影出来たのは、ティアラがミキモトの工房に始めからなく 、町中の無防備な工房で作られていたからだ。 この事件には各部署の責任問題が絡み、結局、許可されて撮影したことになった。 真相を知る関係者の殆どは、今は鬼籍にある。使われたダイヤは、明治天皇の皇后、昭憲皇太后の宝飾品から外した石など 、宮内庁にストックされていた大量の旧カットのダイヤだった。 旧カットと今のカットはカット面の数が全く違う。 旧カットはカット面が少ないが、おおらかな輝きがナチュラルで気品があり、 その柔らかな感じが私は好きだ。 対して、現代の新カットはチカチカと細かく強く輝くが、人工的で成金趣味に感じる。 ちなみに、欧州の各王家の宝冠は作られた年代が古く、当然ながら旧カットが使われている。 そのように書くと、リメイクと思われるが、それは大きな誤解だ。 由緒ある宝石は美術品と同じで、ヨーロッパの各王家でも、 宝石は持ち主が変遷しながら使われている。 美智子妃のティアラは、プラチナ合金土台から新しく制作したもので、新品と呼ぶべきだ。まして、あれだけ立派なティアラの為に旧カットを揃えるのは難しく、皇室所蔵のダイヤが転用されたのは自然なことだ。 旧カットのダイヤは原石に近い形状で真円ではない。 だから、穴あけは回転させて切削する剣キリや菊ギリが使えない。 ダイヤ一つ一つの形に合わせて、アゴカキと呼ばれる細い丸ノミ状の道具を使って手作業で削る。 その手間のかかる作業は他の弟子たちが担当し、師匠の師匠がタガネで ダイヤに地金を被せる石留め作業をした。 それはダイヤのカット面もデサインに従って揃える、繊細な仕事だった。(http://m4s.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/12611-b3e2.html)

■ティアラデザイン担当・田居克己氏インタビュー(2014年10月29日TBS Nスタより)
複数のティアラをお持ちで、そのすべてが美智子さまから譲り受けたものだといいます 雅子さま、そして美智子さまがご成婚時につけられていたティアラをデザインしたのは ジュエリーデザイナー田居克己さん(談) デザイン的に気品の高い表現をしなくてはいけないなと (補足:美智子妃殿下ご成婚のために製作された第一ティアラのデザインについて)唐草模様の変形といいますか モチーフにした 本当に私としても光栄この上ない



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